薬物の副作用についてはあって当然、名医はその副作用を含む薬物の特性を熟知したうえで治療効果の極大値を追及するものと言われます。
そのような意味での副作用というなら、気血陰陽を調整する伝統療法としてのはり灸治療に副作用ということはあり得ません。
例えば本態性高血圧を訴える患者に如何なる種類の降圧剤を処方しても必ず何らかの副作用はあるものです。この必ず副作用があることの本質的意味について深く考えてみなければなりません。それは要するに現代医学が探求できた病因なり病理が不完全だからなのです。究明された原因のその奥にそのような要因を惹起した更なる原因があるので、中途な要因を如何に解決しても根本の原因が解決されない限り、症状が改善しなかったり新たな症状や病が発生することになるのです。この根本の原因を把握するかどうかにおいて、伝統医学の価値が見いだせるということになります。
少なくとも私たちのいう”気の調整”を行う治療である限り、副作用は起こり得ないのです。血圧が適性値になるだけでなく、頸コリや肩こり、目の疲れ、気分のイライラや頭痛やのぼせ等の随伴症状は同時的に改善します。むしろ個別的な症状が別々の原因で発生していると考えること自体が間違いというべきです。
もちろん診断を誤ったり手技が未熟であれば、よくない結果が起こりえます。これは誤治ですから副作用とは言いません。程度によっては責任を問われて当然です。